「働き方改革」では、会社も社員も守れない!
これにいち早く気づいて行動を起こしたのは地方で建設業を営む老舗企業の社長=著者でした。
日本の企業はOJTによって先輩から後輩へと技術を伝え、一人前に育て上げてきました。ところが、働き方改革では社内で学ぶOJTから、社外教育機関で学ばざるを得ない。しかし、地方には社外教育機関はむしろ少ない。著者はそれを補うべく二つの教育機関を設立します。
何よりも、働き方改革に流れるのは労働者をコストと見なす欧米的労働観で、日本の労働観には合わない。それら「働き方改革」の問題点を指摘し、新しい時代の日本型経営=人材育成システムの再構築を提唱したのが本書です。とりわけ地方の中小企業の経営者に読んでいただきたい一冊です。
<目次>
第1章 われわれはどこへ向かっていくのか─働き改革への疑問
第2章 人事評価制度を検証する─優れた日本式人事評価制度はこうして生まれた
第3章 解決しなければいけない「課題」─社会問題と企業の役割
第4章 答えは“現場”にあり
第5章 「企業」こそが「教育」の担い手─「OJT」と「Off-JT」のあり方
第6章 未来は「人」によって創られる─新日本型人事評価制度システムの提唱
<著者紹介>
小野貴史(おの・たかふみ)
小野ホールディングス株式会社代表取締役社長。
新潟県で代々建設業を営む創業130年の老舗、小野組の6代目社長。
働き方改革の施行後に不可欠なOff-JTの場が地元にないことから、自ら社会人教育の場(一般社団法人 和合館工学舎)や技術向上の場(一般社団法人 北陸建設アカデミー)を設立。地域と共に生きる小野組の社風を受け継ぎ、小学校への出前授業などをおこなう。
山崎エリナ撮影写真集「Civil Engineers土木の肖像」の出版協力をおこなう。