日本最古の歴史書にして、
紫式部をはじめ多くの日本人に愛されてきた『日本書紀』。
ここに書かれたこの国の理想は、「よろこびあふれる楽しい国」。
そう読み解くのは歴史家で人気ブロガー「ねずさん」こと、小名木善行氏。
有史以前から近代まで、
歴史の本当の主役、庶民のいきいきとした暮らしぶりに迫ります。
★★★ 太古、日本人は海洋民族だった!★★★
はるか昔の日本人のイメージと言えば、
日本列島の中で、木の実を採って暮らしていた
というのが一般の認識ではないでしょうか?
本書は冒頭からそのイメージをくつがえします。
なんと、3万8000年も前に、日本人は外洋航海術をもち、
遠くグアムあたりまで島伝いに航海をしていたそうです。
なぜそんなことが可能だったのか──
考古学による遺跡の発見と気象学による海面の変化によって著者が独自に読み解きます。
★★★古代、数日で国の隅々まで届いた情報ネットワーク★★★
日本は長い列島の国です。
この国で古代からたった数日で全国津々浦々に大事な情報を伝えたネットワークが存在していたそうです。
日本が瑞穂の国と言われるゆえんは、単に米が主食だったというよりは、自然災害の多い国で、庶民が力を合わせて生き延びるためにどうすべきか、という発想から国づくりが行われたところにあるようなのです。
★★★ザビエルが見た庶民の姿★★★
戦国時代にスペイン人宣教師のザビエルが日本にやってきたとき、こんなことを言ってます。
「日本人より優れている人々は異教徒の間では見つけられない」
当時、キリスト教徒以外は野蛮人として認識していた西洋人が、庶民の生活を見て民度の高さに驚き、こんなことを言っていたわけです。
しかも、最も日本史上、もっとも荒れた戦国時代に……
そのほか、古代中世の女性たちの教養の高さなど、本書には歴史教育で学んだイメージとはかけ離れた庶民の暮らしぶりが満載です。
★★★ボランティアや旅行を楽しんだ江戸の庶民たち★★★
江戸の庶民の大半が農民でした。
農民は貧しくて日々の生活にも困窮したという「貧農史観」がありますが、本当にそうだったのでしょうか?
本書では、そこそこ豊かで、日々の暮らしを楽しみ、教養高く、民度も高かった庶民の実態に迫ります。
なぜそうだったのか。それは本書を貫くテーマです。
ぜひ本書をご覧になって、先人の暮らしぶりを再発見して下さい。