***発売は4月14日です。ご注文いただいたものについては、発売後、順次、発送いたします。***
我が国で産出される鉄スクラップは、年間2500万トン。そして、鉄のリサイクル率は95%。
永遠の循環を担う電気炉製鋼の現場に、写真家・山崎エリナが密着。
世界一を誇る製鋼技術によって、捨てればゴミの鉄スクラップが、いのちを吹き返していくダイナミックで美しい様を1冊に閉じ込めた写真集。
製鉄といえば、高い煙突、巨大なタンク、壮大な溶鉱炉をイメージしがちですが、それは海外から鉄鉱石を輸入して巨大なプラントで製鉄を行う高炉製鋼のほうです。
電気炉製鋼は、地域で出たスクラップを原料に鉄製品をつくり、地域に還元するもので、輸送にともなう二酸化炭素の排出量も抑えられ、持続可能な開発目標という時代の要請に応えた「永遠の循環を担う」製鋼法です。
本写真集は、高炉製鋼の工場夜景のような工場外観の美しさではなく、スクラップ鉄がアーク放電によって、ダイナミックに炎を上げながら息を吹き返し、精錬、圧延といった工程を経て、新たによみがえっていく様子を活写。鉄に生きる技術者たちの、再生に賭ける熱い思いとロマンが伝わってきます。
【構成】
集める(原料のスクラップの山)→溶かす(アーク放電が生み出す1600度の炎の世界)→
錬る(経験値がものを言う製錬工程)→延ばす(鉄に粘りと強さを出す圧延工程)、技(機械では補えない人の技)──一工程順にダイナミックな世界が繰り広げられます
巻末には写真解説のページ
◆著者プロフィール
山崎エリナ(やまさき・えりな)
写真家 兵庫県神戸市出身。1995年渡仏、パリを拠点に3年間の写真活動に専念する。40ヵ国以上を旅して撮影を続け、エッセイを執筆。帰国後、国内外で写真展を多数開催。海外での評価も高く、ポーランドの美術館にて作品収蔵。第72回アカデミー賞にて名誉賞を受賞した映画監督アンジェイ・ワイダ氏からもその作品を高く評価された。ダイオウイカで話題になった自然番組・NHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」(菊池寛賞)では、スチールカメラマンとして同行し深海撮影。
2018、19年には「インフラメンテナンス写真展」を福島、仙台、東京ビッグサイトにて開催。橋梁、トンネル、道路のメンテナンス現場を撮影した写真集『インフラメンテナンス~日本列島365日、道路はこうして守られている』は、インフラメンテナンス大賞優秀賞を受賞。
写真集に、『アイスランドブルー』(学研)、『サウダージ』(初版 ピエブックス)、『千の風 神戸から』(学研)、『ただいま おかえり』(小学館)、『アンブラッセ~恋人たちのパリ~』(ポプラ社)、『三峯神社』『インフラメンテナンス~日本列島365日、道路はこうして守られている』、『Civil Engineers 土木の肖像』『トンネル誕生』(以上、グッドブックス)がある。