
宗教の持つ危うさ。
しかし人間にとって宗教は不可欠なもの──。
これを突きつけているのが、今なお増え続けるオウム信者の存在。
宗教は、観念の産物ではなく、煩悩という現実への対処である。
最初は宗教的天分に優れていた麻原が間違ったのが、自らの煩悩への対処。
釈迦、キリスト、その他、宗教者と麻原との対比をしながら、宗教の本質を問う。
そして、麻原が巧みに利用した殺人を容認する経典の誤りを衝く。
法律家にして宗教学者という特異な経歴を持つ
著者、渾身の1冊!
1997年3月半ば、夕飯を終え自宅でくつろいでいた私に、一本の電話が入った。
地下鉄サリン事件を起こし、日本国中を震撼させたオウム真理教の幹部で実行犯の一人、林泰男の国選弁護人の仕事をしてくれないか、というものだった。
私の心は揺れ動いた。
あと数年で定年を迎えるという時に地下鉄サリン事件が起き、この事件をきっかけに私は裁判官生活に別れを告げ、弁護士登録をしていたからである──。(本文より)
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『オウムはなぜ消滅しないのか』
中島尚志 著
四六判上製 208ページ 定価1600円+税
ISBN978-4-907461-02-7 C0036
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<主な内容>
◉国家転覆もあり得たのに、どうして各犯行者の個別事件として立件されたのか。
◉麻原の一審公判に257回も費やしながら、事件の核心に迫れなかった検察側の重大ミス。
◉死者2人を出して無期懲役となった林郁夫、死者0人で死刑が確定した横山真人。
◉「殺人マシーン」と言われた林泰男死刑囚の実像に迫る。
◉優秀な若者たちを惹きつけたオウム真理教のこれまで指摘されなかった2つの側面。
◉殺人を正当化するために麻原が利用したインド後期密教経典の誤りを鋭く衝く。
◉修行の途中で自らを最終解脱者と見間違えた麻原と、ブッダ・キリストとの対比。
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<著者プロフィール>
中島尚志(なかじま・しょうし)
1933年東京生まれ。元判事・弁護士。東京大学経済学部を卒業ののち、同大学院印度哲学科修了。判事を経て、地下鉄サリン事件を契機に95年依願退官。96年四天王寺国際仏教大学教授。2003年退職。97年より国選弁護人として林泰男の一審・二審の弁護を宗教面から担当。著書に『空海──密教への道』『法華経──仏教における法の光景』『サリン』など。
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<目次>
■プロローグ 地下鉄サリン事件、二十年後の問い
■第一章 林泰男死刑囚の弁護を担当して
■第二章 私の見た実行犯たちの実像
■第三章 悲しい犯行動機、林泰男の弁護を担当して
■第四章 若者を惹きつけた出家制度とヨーガの技法
■第五章 殺人を正当化する経典の存在とその誤り
■第六章 宗教とは現実である
■エピローグ オウム出現の土壌としての日本の戦後
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